人の心を科学する技術
皆様はカウンセリングやカウンセラーと聞くとどのようなイメージを持たれますか?身近な存在でしょうか?それとも別世界とまでは行きませんが、あまり接点のないものでしょうか?
最近では、ヘアカウンセリング、美容カウンセリング、スポーツカウンセリング、結婚カウンセリング等、身の回りには様々なカウンセリングと名がつくものが存在します。しかし、カウンセリングとは本来、人の心理をよく理解し、悩みに対して適切な行動に変容できるように、心の専門家が行う関わりをいいます。
私自身、心理カウンセラーとしてコンサルティングの現場はもちろん、自社内や日常生活を振り返ってみても、カウンセリングの技術を活かせる機会は日常的に存在します。カウンセリング技術をうまく活かせれば、もっと楽に、前向きに、そして建設的に物事に向き合い、進めることができたり、人と関われたりと改善できる点が多くあります。人は感情の生き物と言われます。わかっていてもそのように行動できないことが多々あります。そういったところにカウンセリングが活かされる機会があるのです。
よく職場で見受けられる事例として、「問題の発生要因をすぐに他責にしてしまう」、「問題に向き合わず、すぐに言い訳をしてしまう」、「管理・監督者が本来の役割をそっちのけで、すぐ現場作業や業務に専念してしまう」ということも、その問題の本質が何であるか、それらに対してどのように関われば良いのか、そしてどのように改善すれば良いのかの答えがカウンセリングには存在します。これらのことを次回以降、少しずつ解説を行っていきます。本コラムではもう少しカウンセリングそのものについて解説を行います。
カウンセリングとは
人の心を科学する心理学をベースに、人の心理を把握し、何が本質的な問題なのか、何を改善すれば、意識改革や人の成長を促せるようになるのかをクライアント自身が自覚できるようにカウンセラーが関わり、問題解決を行う技術や技法です。
コンサルティングとの違いとは
同じように問題解決を行うアプローチとしてコンサルティングがありますが、それとの違いをご存知でしょうか?
コンサルティングは専門知識を活かし、クライアントに対して指示的に関わり問題解決を行います。カウンセリングはクライアントには自己解決能力があり、それを自身で引き出すところに問題があると考えます。よって、いかに各人の自己解決能力を引き出すかに注力し、非指示的に関わり問題解決を行います。
コンサルティング、カウンセリングには大きな違いがあり、それぞれの良さがあります。時と場合によって使い分けることが、人の意識改革や成長、そして問題解決を確実に促すのです。
次回以降のコラムではカウンセリングの技術や技法について解説を行います。
<2017年2月 代表取締役 内山 三朗 記>