対策に差が出るヒューマンエラーの向き合い方②

前回の繰り返しになりますが、ヒューマンエラー対策で結果を残している企業で共通する項目は次の6項目があげられます。

1.ヒューマンエラーは発生することを前提で考えること
2.ヒューマンエラーの発生は他責ではなく、自責で考えること
3.ヒューマンエラーは原因ではなく、結果として捉えること
4.ヒューマンエラー発生のメカニズムを理解した上で分析をすること
5.ヒューマンエラー対策は事後ではなく、事前に対処すること
6.事後の対応では本質の改善までを着実に行うこと

今回は上記の「3.ヒューマンエラーは原因ではなく、結果として捉えること」について解説を行います。

3.ヒューマンエラーは原因ではなく、結果として捉えること

ヒューマンエラーに関わるような問題が発生した時に、皆さんはどのようにその問題の実態を把握し、原因追求や対策検討を行っていますか?
問題発生の原因を「思い込み」や「勘違い」とし、原因は「ヒューマンエラーによるもの」としていませんか?更にその対策として、「教育を行う」「二度と発生させないように注意する」「ダブルチェックをする」といった対策で終わせていませんか?
もしそのような原因追求や対策を行っている場合は要注意です。間違いなく問題は再発すると考えて良いでしょう。
ヒューマンエラーを発生させる原因は必ずあります。ただその発生の原因が発生後では分かり難いこともあって、原因追求が不足しがちです。

しかし、ヒューマンエラーを結果として捉え、発生させる原因をしっかりと追求しなければ、再発や類似するようなヒューマンエラーが発生し続けるでしょう。
私の経験で言いますと、ヒューマンエラーの原因追求力は職場の改善力に相関しています。それはヒューマンエラーが原因だと結論付けている多くの企業や職場では、業務手順が決まっていないや人任せ、またある程度の標準化はできていても、表面的な対応で本質的なところまで深堀できていないことがほとんどです。逆を言えば、ヒューマンエラーに対しての見方・考え方を変えることは、職場を大きく変えるきっかけにもなります。上記の6項目についてもヒューマンエラーに限ったことではなく、あらゆる問題や課題に対して共通することと言えます。
では、ヒューマンエラーに対する実態の把握や原因追求力を高めるためには、その発生のメカニズムを理解することが必要です。

次回のコラムではこの発生のメカニズムについての解説を行います。

< 2017年6月 代表取締役 内山 三朗 記 >

上記コラムに関連する研修<研修パンフレット>

研修名:結果につながるヒューマンエラー対策