次世代リーダーの育成
次世代リーダーが将来その役割を果たし、結果を残すために何が必要なのか。その答えは現在のリーダーに目を向けることによっても、導き出すことができるでしょう。現在の部長、工場長を含む経営幹部が日々苦労していることとは、どのようなことなのでしょうか。
現リーダーの活躍を阻害するもの
既存事業を円滑に回し、企業の変革に向けて経営資源を展開する。そのような経営活動の中心にリーダーが存在し活躍するはずが、期待される結果が得られない。リーダーの能力やパフォーマンスもさることながら、それ以外に何が不足しているのでしょうか。
主なものとして次のものが挙げられます。
①業績の変動要因を追求するためのしくみの欠如
②業績の変動要因を追求し、その解決に向けて考え行動できる人材の不足
①業績の変動要因を追求するためのしくみの欠如
いくらリーダーが優秀でも、業績の変動要因を追求し対処できなければ、業績改善は実現しません。たとえ改善できたとしてもムダに経営資源を投入する結果となります。
業績の変動要因が追求できない主な要因の一つは、数値管理の欠如にあります。売上・利益などの経営指標があっても、それらを掘り下げた管理指標が欠如しているのです。そのため数値を起点とした管理が実行できない。いくらリーダーが優秀でも盲目の状態では自身の思いを具体化・定量化することも困難で、部下に対しても具体的かつ的確な働きがけができなくなってしまうのです。
②業績の変動要因を追求し、その解決に向けて考え行動できる人材の不足
日々の業績変動に対して定量的な分析を行わず、これまでの経験や勘、思い付きによる改善だけでは大きな効果を期待することはできません。ましてや変動要因を問いかけても言い訳に終始するような部下ばかりでは、改善どころではなくなってしまうのです。そのような組織では、部下のリカバリーを行うべく、部下がやるべき業務をこなしがちで、リーダー本来の役割を果たすことができません。そしてリーダーに負荷が集中しすぎると、身動きができなくなり、組織そのものの推進力もたちまち低下してしまうのです。
以上の内容は多くの企業・組織において問題視されている内容で、決して次世代リーダー個人の育成だけで解決できるものではありません。同じ状態を将来にわたり繰り返さないためにも、次世代リーダーの育成と共に将来にではなく、今から改善していくことが必要です。
次世代リーダーの育成と共に取り組むべきこと
・業績改善に向けて数値管理を含むしくみ作り
・数値管理を起点に業績改善ができる人作り
リーダーがビジョンを示し、その具体化や実行に向けて必要とされるしくみ、特に数値管理を行うためのしくみ作り。更にそのしくみを活かすことができる人材。人材育成の中でも特に最優先されるべき人材とは、各組織の核となり次世代リーダーの右腕・左腕になり得る人材です。次世代リーダーと共通言語で話し、同じような見方・考え方ができる人材。そこに信頼関係が芽生えれば、個々人の能力以上の力が発揮されるでしょう。また次世代リーダーは自身の役割を担うことに専念することもできるでしょう。
次回のコラムでも引き続き、次世代リーダーの育成と共に取り組むべきことについて解説を行います。