次世代リーダーの育成

次世代リーダーが将来その役割を果たし、結果を残すために何が必要なのか。次世代リーダーの育成と共に取り組むべきことを前回のコラムでも次の2点について記載しました。その内容について今回のコラムでは解説を行います。

次世代リーダー育成と共に取り組むべき事
①業績改善に向けて数値管理を含むしくみ作り
②数値管理を起点に業績改善ができる人作り

 

①業績改善に向けて数値管理を含むしくみ作り

成長戦略を提言し、戦略内の仮説を短期間で実行可能な調査や実験に落とし込み、実践の中でその有効性を検証する。これらのことが将来実行できることを目指します。そのために、まずは既存事業にて事業構造や収益構造を理解し、事業の拡大・縮小、商品の改廃、その他、個別の改善実行など、経営判断の根拠を明確にし、意思決定のスピードを向上させることを目標とします。そして、その目標を達成させるためには数値管理のしくみ作りからその運用までを自らがの力で実行することが最優先課題となります。経営指標と現場での管理指標につながりを持たせ、業績の変動要因をタイムリーに、個別に見えるしくみを構築します。既存事業の課題を構造化し、その各階層や内容毎に優先順位付けを行い、数値管理すべき内容(KGI・KPIの設定すべき課題)を選別します。更に日々のデータ収集から分析、改善実行、評価といった数値管理を実践します。

②数値管理を起点に業績改善ができる人作り

①の数値管理のしくみ作りを通し、最も重要なのは業績改善ができる人作りです。既存事業の課題構造を見出し、自らが主体となり数値管理のためのKPIを設定することが重要です。更にそのKPIを基に収集されたデータを客観的に分析し、問題を見つけ出す能力を向上させます。客観的に評価できる数値管理のしくみがあるにも関わらず、自身の経験や記憶だけで、問題を決めつけてしまったり、対策できることや他部門に対策して欲しいことだけが問題視されるといったことは、よくあることです。数値管理の実践を通して、問題に対する見方・考え方を養成しておくことは非常に重要なことです。そして組織として抽出された問題をどのように解決に導くか、実践活動を通して各部門や各職制の役割を果たす力も備えておくことが重要です。

このような実践活動を通し、将来に向けて組織的学習を積み上げておきます。更に部下や関係部署を巻き込み、組織のベクトルをあわせることができたならば、次世代リーダーやその右腕・左腕にとって大きな成功体験となるでしょう。そして、リーダーになることに対しての不安や孤立感を事前に解消でき、将来に向けた自信も湧いてくるでしょう。そして、事前に将来に向けた準備が整えば、リーダーに抜擢された際には、思い切ったビジョンを描き、成長戦略が提言できるようになるでしょう。