IE(科学的分析手法)を活用した原価低減入門講座
【開催趣旨】
日々の生産活動の中で、「ムダ」や「ロス」は発生し続けていますが、その多くは気づかれず「埋没」し、本来得られるべき利益を逃しています。どんなにマニュアルやチェックシートを強化しようと、どんなに優秀な工場長・部門長であろうと、日々の生産活動に埋没するムダやロスを全て見つけることは不可能です。生産活動に携わる技術や製造のスタッフが現場の実態を理解し、利益を押し下げる「ムダ」「ロス」を全員の目で発見、潰していく全員参加型の改善活動以外に有効な手段はありません。
本セミナーでは、見かけ上現れる改善効果の積上げではなく、P/L(損益計算書)の利益増大につながる原価低減活動を実践するために、技術や製造スタッフに必要とされるIE(インダストリアル・エンジニアリング)やIEを活用した原価低減の進め方を解説いたします。IEや損益計算、原価計算を初めて学ぶ方や学んだことはあるが活用できないでいる方のために、基本的な内容から実際の原価低減活動や日常の現場管理にIEをどのように活かし、成果の創出や現場のモチベーションアップにつなげるかを事例や演習を多く用いて紹介します。
今後更に進むデジタル化(IOT、AI、スマート工場等)の導入時、その投資効果を最大限導き出すためにも、工程設計やその運用段階において欠かせないのは人の能力であり、IEによるものの見方・考え方であります。原価低減活動の活性化や今後のデジタル化に向けた現場の底上げのきっかけ作りとして、お勧めのセミナーです。
【想定する受講対象者】
・生産技術、生産管理、製造スタッフの方
【プログラム】
1.IE手法を活用した実態の捉え方
1)工場・職場の全体像を把握する方法
-工程分析-
◆演習:プロセスチャートによる工程の流れの可視化
◆事例:プロセスにおけるムダ・ロスの抽出方法
2)工場・職場全体の人・設備の稼働・非稼働状態を短時間で把握する方法
-稼働分析-
◆演習:瞬間観測法による稼働状態の可視化
◆事例:非稼働時間の削減
3)最も優先して改善すべきところを見出す方法
-ラインバランス分析-・ピッチダイアグラム
◆演習:ライン編成の評価
◆事例:ライン生産能力向上、ライン効率向上
4)人と設備や複数の人を効率良く組合せ稼働させる方法
-連合作業分析-
◆演習:人・機械の最適な稼働のさせ方
◆事例:加工費の削減
5)標準時間の設定方法
-時間研究・動作分析・レイティング-
◆演習:作業スピードの評価、作業の習熟度評価
◆事例:製造現場に受け入れられる基準づくり
2.P/L(収益)にヒットする原価低減の進め方
1)第一線の現場リーダーが実践できる業績管理の進め方
2)現場作業者を巻き込んだ原価管理の仕組みづくりとその運用
3)業績管理と原価管理の連動と改善ストーリーの描き方
3.原価低減活動やその他現場管理でのIE活用事例
1)原価低減につながる系統立てた改善の進め方
◆事例:場面に応じた各種IE手法の使い分け
2)自動化推進の設備や作業の選定方法とその効果
◆事例:自部門損益を考慮したコスト低減テーマの選定
3)あらゆるムダ・ロスを除き目標となる原価の設定方法
◆事例:理想標準原価の設定と達成に向けた役割分担
4)標準原価と実際原価を用いた原価管理の仕組みづくりとその運用方法
◆事例:リアルタイムに目標達成やムダ・ロスが可視化される仕組み
5)現場作業者のモチベーションアップのための仕組みづくり
◆事例:IOTを活用したしかけとその効果
6)新人育成期間の生産性低下防止策
◆事例:新人作業者の早期立ち上げのための仕組みづくり