問題とは、“現状”と“目標”とのギャップ

今回のコラムでは問題発見力を高める最も簡単で、即効性があり、すぐにでもできる解決策として“問題の意味”を知ることについて解説していきます。前回のコラムでの質問ですが、“問題の意味”は答えられますか?

<正解>

  問題とは、“目標”と“現状”との“差”(ギャップ)

 

私がこれまで15年以上の間、コンサルタントとしてクライアント企業の従業員の方と接してきて、今回と同じ質問(問題の意味とは)を経営幹部や管理・監督者を対象にしてきましたが、明確に答えることができた方は1割にも至りません。経験上では数パーセントです。更に全従業員で言えば1%に満たない状態でした。

日常的に職場内で使用されている言葉にも関わらず、これだけの方が理解しないまま、ごくごく当たり前のように“問題”という言葉を使用しているのです。そしてこの“問題の意味”を理解していることが問題発見力(気づき力)に大きな影響を及ぼしているのです。
ではなぜこの“問題の意味”を理解していることが重要であるかをもう少し掘下げて説明をします。

前回のコラムで述べましたが、問題解決は問題そのものを発見しないと始まりません。そして、その問題発見において改善すべき代表的なものとして、次のパターンがあります。

パターンⅠ : 認識している問題が漠然している
パターンⅡ : 他人が気づいている問題と異なる
パターンⅢ : 問題に気づかない

各パターンが発生する原因は次の通りです。

<パターンⅠ>
認識している問題の内容が漠然としてしまうのは、“目標”や“現状”のそれぞれの認識が漠然としているため。

<パターンⅡ>
人により、問題として気づけたり、気づかなかったりするのは、他人が認識している“目標”や“現状”と自身が認識している“目標”や“現状”との間にギャップがあるため。

<パターンⅢ>
問題を問題として感じられないのは、“目標”と“現状”にギャップが無いから。

つまり問題発見力(気づき力)を高めるために打つべき対策とは、“目標”や“現状”を正しく、具体的に掴むこと。そして職場内で“目標”と“現状”のそれぞれを共有し、認識をあわせることです。

 

以上のことを意識し、行動するだけでも問題発見力(気づき力)は大きく変化するでしょう。一度、“目標”と“現状”を正しく認識することに専念してみてください。自ずと問題を見出すことができる機会が増えるはずですし、何が問題発見の阻害となっていたのかを気づくことが出来るでしょう。

次回のコラムでは、今回記載した“目標”や“現状”を正しく認識する方法について解説を行います。“目標”や“現状”を具体的に、そして定量的(数値化)に把握する手法を解説します。

< 2017年3月 代表取締役 内山 三朗 記 >

上記コラムに関連する研修<研修パンフレット>

研修名:問題発見力(気づきの感度)向上研修<改善活動成功のカギ>

研修名:問題発見力(気づき力)の高め方研修<管理者の関わりが大きく影響>