標準化のポイント①
今回は“標準化のポイント”について解説を行います。“標準化”を推進する際には、どのようなことを意識して推進すべきなのでしょうか?次に標準化推進におけるポイントを記載します。
<標準化のポイント>
1.ルール(基準)を決める
2.ルール(基準)を決める際は、現場の衆知を盛り込む
3.決めたルール(基準)を理解・納得させる
4.頭で理解したルール(基準)を守れるようにする
5.定期的にルール(基準)は見直し、1.に戻る
それぞれのポイントについて説明します。
1.ルール(基準)を決める
ルール(基準)を決めることは、業務や作業における条件や判断基準だけでなく、手順や内容も明確にすることです。ごく限られた担当者にしかわからない業務は無いか?人により進め方が異なる業務や作業はないか?実態を見えるようにし、共通のルールを決めることです。
ルールが先にあって、そのルールに基づいて各業務や作業を進めてもらうことが、本来のあるべき姿ですが、往々にして担当者個人に手順や内容、そしてそのノウハウまでもがくっついており、担当者にしかわからないことがあります。
よって標準化の進め方としては、現在の業務や作業の実態把握から行うことになります。その際、どのレベルまで分析し、ルール(基準)を決めるかが重要な点となります。分析が大雑把となり大枠の内容のルールとなればなるほど、担当者の裁量範囲が大きくなり、人によるバラツキが大きくなります。
ルールを決める目的は、安全、品質を守ること、生産性を向上させることなど、様々な目的があります。その中で特に重要な目的は、“問題に気づけるようになること”だと私は考えます。決して、ルール通りにできていないからと言って、個人を責めたりするものではありません。ルール通りにできないのには、何か理由がありそこに改善すべきことがあるはずです。それを発見するためのツールであると考えます。
以前のコラムにも記載しましたが、“問題”とは“あるべき姿”と“現状”との差を問題と言います。つまり、日々の中で発生する基準(あるべき姿)と現状との差を明確にし、問題を問題として気づけるようにすることであります。また基準を設定する段階で、自分達の日常の業務や作業のあるべき姿に目を向けて、今までのやり方や内容が“当たり前”でなく、理想や本来のあるべき姿を追求することに標準化推進の目的があると考えます。
2.ルール(基準)を決める際は、現場の衆知を盛り込む
『現場の衆知を盛り込むこと』の“衆知”は、広く知らせることを意味する“周知”ではありません。“衆知”とは、多くの人の持っている知恵を意味します。つまりルールを決める際は、多くの人の持っている知恵を盛り込むという意味です。ここで重要なことは“現場”の知恵を盛り込むことです。
知恵を盛り込むということの具体的な方法としては、Know How(どのようにして) だけでなく Know Why(なぜ)を明確にすることです。なぜ現状の手順や内容になっているのか?安全・品質・効率面において、何か理由があるのかを明確にしていきます。これらのプロセスを通して、最適なルールを導き出す事ができるでしょう。
続きは次回のコラムにて解説を行います。
上記コラムに関連する研修<研修パンフレット>
研修名:標準化活動の活性化研修<現場で“実際に活かされる”標準類の整備>